キングの歴代モデル・製造時期の比較表
※表を横スクロールして全体をご覧ください。右はしの「各時期の特徴」欄に、主な特徴をまとめています。
製造年 | プロモデル | シリアルNo. | 中/下モデル | シリアルNo. | モデル | シリアルNo. | モデル名 | 各時期の特徴 |
1893 – 1895 1895 – 1896 1896 – 1897 1897 – 1898 1898 – 1899 1899 – 1900 1900 – 1901 1901 – 1902 1902 – 1903 1903 – 1904 1904 – 1908 |
※最初は”H.N.White” として トロンボーンの 製造・販売 テスト奏者 「トーマス・キング」 この「キング」モデル が評判に |
金管製造 工場だけの 時期 |
||||||
1908 – 1909 | “KING” ステンシル |
???? – ???? | クランポンの ステューデント・モデル “Evette&Schaeffer” に”H.N.White” と彫刻し輸入販売 |
1909年 オハイオ州 クリーブランド にオフィス移転 |
||||
1910 – 1915 | “KING” ステンシル |
???? – 3499 | CarlFischerが “Evette&Schaeffer” 独占販売権を獲得 →V.Kohlert製サックスの 輸入販売に切り替える |
1914-1918年 第一次世界大戦 |
||||
1915 – 1916 1916 – 1925 1925 – 1928 |
“KING” (1917年 〜自社製) |
35000 – 35999 36000 – 74999 75000 – 109999 |
★Cleveland ★American- Standard (クリーブ ランド社製) |
(買収前) 1-???? (1925〜) A/C/CC1- ※A/CCは 1000まで? 以降Cに 統一? |
“ARTIST”モデル | 50000 – ????? | 1916年 ★クリーブランド製 ステューデント・モデル “Cleveland” “American Standard” 販売 ★プロ・モデル 自社製”KING”販売開始 |
1917年 木管工場建設 (本社敷地内) |
1928 – 1929 1929 – 1930 1930 – 1931 1931 – 1932 |
★Voll-True | 110000 – 116399 116400 – 125999 126000 – 132999 133000 – 145199 |
C?????- C?????- C10000- C?????- |
1925年 クリーブランド社 を買収 |
||||
1932 – 1933 1933 – 1934 1934 – 1935 |
★Voll-TrueII | 145200 – 146999 147000 – 153999 154000 – 178999 |
C?????- C?????- C?????- |
|||||
1935 – 1936 1936 – 1937 |
★Zephyr | 179000 – 185999 186000 – 199999 |
C30000- ?????- |
|||||
1937 – 1938 1938 – 1945 |
★Zephyr ★Zephyr Special |
200000 – 211999 212000 – 271999 |
C?????- C?????- |
キング最盛期 モデルの 詳細な表はこちら |
1939-1945年 第二次世界大戦 |
|||
1945 – 1946 1946 – 1950 |
★Zephyr ★Super20 |
272000 – 276999 277000 – 307999 |
American- Standard このあたりで終了 |
C45000- C?????- |
||||
1950 – 1955 | ★Zephyr ★Super20 |
308000 – 339999 | “Cleveland” | C50000- | ||||
1955 – 1960 1960 – 1962 |
★Zephyr ★Super20 |
340000 – 384599 | C65000- C100000- |
|||||
1962 – 1965 1965 – 1968 |
★Zephyr ★Super20 |
384600 – 437159 |
|
C1?????- C160000- |
1968年 工場移転 Cleveland から Eastlakeへ |
1965年 Seeburgが H.N.White買収 社名「KING」に |
||
1969 – 1970 1970 – 1971 1971 – 1972 1972 – 1973 1973 – 1974 1974 – 1975 1975 – 1976 1976 – 1977 1977 – 1978 1978 – 1979 1979 – 1980 1980 – 1981 |
★Zephyr (1977年頃 生産終了) ★Super20 |
447380 – 457599 457600 – 468429 468430 – 479259 479260 – 490089 490090 – 500919 500920 – 511750 511750 – 522937 522938 – 534125 534126 – 545313 545314 – 556501 556502 – 567689 567690 – 578877 |
“Cleveland” ★[613Alto /615Tenor] ステューデン ト・モデル |
??????- 420000- ??????- ??????- ??????- ??????- 600000- ??????- ??????- ??????- ??????- ??????- |
★KING-Marigoux (SML”Gold Medal II”) |
21000 – 21499 21500 – 22299 22300 – 22699 22700 – 23099 23100 – 23499 23500 – 24599 24600 – 24799 24800 – 25299 25300 – 25599 25600 – 25999 26000 – 26299 26300 – 26599 |
★KING-Lemaire (AMATI “Super-ClassicII”) #30xxx?-140xxx? |
★KING-Tempo (KEILWERTH “New King”) #637xx?-83xxx この時期3種類の 他社製ステンシル を展開 (カッコ内が元のモデル) |
1981 – 1982 1982 – 1983 |
★Super20 |
578878 – 590065 590066 – 601253 |
850976- 906859- |
1979年Seeburg破産 債権者の下でKING運営 |
||||
1983 – 1984 1984 – 1985 |
★Super20 |
601254 – 612441 612442 – 623629 |
906860- 976571- |
1983年 ダニエル・ヘンキン氏 買収 |
||||
1985 – 1986 1986 – 1987 1987 – 1988 1988 – 1989 |
★Super20 |
623630 – 634817 634818 – 646005 646006 – 657193 657194 – 668381 |
976572- 999999- 100000- -159464 |
1985年売却。 UMI傘下に。 |
||||
1989 – 1990 1990 – 1994 |
★Super20
|
668382 – 679569 679570 – 724321 |
“Cleveland” ★[660Alto/ 662Tenor] |
39xxxxx- 40xxxxx- |
※Cleveland モデルは新しく シリアルNo,振り直し |
1990年以降 Benhard Muskantor が経営指揮 |
この時期、 同じUMI傘下の Connモデルと ほぼ同じ外観 →台湾製? |
|
1994 – 1995 1995 – 1996 |
★Super20 ★Super21 |
724322 – 735499 735500 – 752999 |
7xxxxxx- 7xxxxxx- |
※再度シリアルNo, 7+6ケタで振り直し |
Super21は 残っていた過去の 部品で製造 |
下位モデル中国製? | ||
1996 – 1997 1997 – 1998 |
★Super20 | 753000 – 770499 770500 – 800000 |
★”Liberty” [670 Alto] 中位モデル ★”Empire” [665 Alto] |
???????- ???????- |
かつてのKING トランペット のモデル名「Liberty」を Saxに再利用 |
|||
1998 – 1999 1999 – 2000 2000 – 2003 |
???????- ???????- ???????- |
2000年Steinway Musical Instruments がUMI買収 |
||||||
2003 – 2004 | サックス部門廃止 | 2003年 スタインウェイ下の Conn-Selmer に統合 |
各モデルの特徴は以下の記事で解説しています!
KINGとW.H.White
KINGは1893年に「H.N.White」(創業者の名前です)という社名で創業しました。創業当初はオリジナルのトロンボーン製造やカスタマイズで有名になりました。
KINGはもともとモデル名
「KING」とは創業のきっかけとなったオリジナルのトロンボーンにつけたモデル名で、当時自社で扱う全ての楽器モデル名を”KING”モデルとしました。(金管・弦楽器・サックス)
なので最初のステンシル・サックスも”KING”ですし、その後のゼファーなども「KING・ゼファー」…つまり”KINGモデルの派生型”という感覚です。
ビンテージ期は”H.N.White”
今ではKINGのブランド名の方が認知度が高いので意外ですが、「H.N.White」という社名は長いこと使われていて、1965年まで「H.N.White」です。
その後、キングは豪華で手のこんだ楽器製造が大量生産時代の流れに会わず1965年Seeburg Corporationに買収されます。
そしてSeeburg社は「H.N.White」を、既にポピュラーになっていたKINGのブランド名だけを残し正式に社名を「KING Musical Instruments」としたのです。
買収後のキング
つまり、私たちがキングを話題にする時の「手のこんだビンテージ・モデルを製造していた時期」の社名は、本来は「KING」ではなくて「W.H.White」で呼ぶのが正しいわけですね。
買収後は他のアメリカン・サックス・ブランドの例に漏れず、UMIに吸収合併されそして「スタインウェイ」に買収→スタインウェイ傘下に新しくできた「Conn-Selmer」に再編成され現在に至る、という流れです。
Seeburg社に買収されて以降はモデルの簡略化・低価格モデル化によって大量生産の波に組み込まれUMI時代でサックス部門は廃止されます。
表中の補足(自社製KING第1号モデルのシリアル・ナンバーについて)
キングのシリアル・ナンバーと製造年については正確な記録が残っていません。
(海外のサイトもたいていhnwhite.comさんのサイトやコレクションの当時チラシから情報を得ています。※hnwhite.comは、H.N.ホワイト氏のお孫さんによって運営されているサイトです。残念ながら最新の状態に更新されておらず、googleの”保護されていない情報”基準にかかるため、リンクを貼っていません。)
海外のキング関係のサイトを見ると、ほぼすべて「キング自社製KINGのシリアル・ナンバーは#50000から」となっています。
私も表の作成当初は1915年(発売は1916年〜)をシリアル・ナンバー50000〜で記載していましたが、
Saxophone.orgさんに掲載されている「シリアル・ナンバー35591」のCメロ”KING”モデル
を画像で確認し、個体の特徴からステンシルではなく自社製KING、との判断からSaxophone.orgさんの表を参考に1915年 35000〜としました。
「キングの最盛期」ゼファーやスーパー20については、下の記事でさらに詳しい年表にしています。
[…] キングの全モデルの製造年表についてはこちらの表をご覧ください。 […]