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中古サックスの魅力

ヴィンテージ・サックスを操る旬なサックス・プレイヤー5選

投稿日:2020年12月22日 更新日:

ヴィンテージ(オールド・サックス)を愛用するサックス・プレイヤーが増えてきている!

海外では最近またヴィンテージ・サックスを愛用するプロのサックス・プレイヤーが増えてきましたね!

それも一昔前のように「セルマーの定番=Mark6やS.B.A、Mark7」といったヴィンテージではなく、オールド・サックス(セルマー以外のなくなってしまったメーカー)の部類に入るサックスを愛用している方をちょいょい見かけます。

そこで今回は、「今まではあまり見られなかった」オールド・サックスの使い手、しかも個人的に演奏も好みな以下の5人の方をご紹介しようと思います。

<Buescher Tenor>Tivon Pennicott

2020年の代表的サックス・プレイヤーであるTivon Pennicott/ティヴォン・ぺニコット(アメリカ)は、なんとBuescher/ビッシャーのテナー・サックスを愛用しています。

マウスピースは今最も旬なマウスピース”SYOS”を使用。

<C,G,Conn C-melo> Holly Schlott

「ホーリー・シュロット」この方はドイツのサックス・プレイヤーでなんと「Cメロ サックス」を愛用されています!

しかも「Cメロでしか表現できない」音と表現をうまく使って、ダンス・ミュージックやR&B風、オールド・スタイルの優しい音楽など色々なジャンルを吹き分けます。

また、Schlottさんはトランスジェンダーを公言されており、Cメロを使うことで、ご自身の生き方、個性を見事に体現されている、という素晴らしいミュージシャンなのです。

Cメロというと、「アルトでもなくテナーでもなく、どう使って良いかわからない」というイメージでしたが、Schlottさんの曲を聴くとCメロの可能性にチャレンジしてみたくなります。

Schlott氏の演奏を聴いていると、曲によってテナーのような音を出したり、旧いアルトのような心地よい音を出したり、クラシカルであったりジャジーであったり…と、見事なCメロ使いです。

マウスピースは何を使っているんだろう?と思いダメもとでご本人に問い合わせたところ、なんと気さくに教えてくださいました!

”ZINNER HAND CRAFTED” のCメロ用マウスピースを愛用されているそうです。


参照元:GET A SAX

↑”GET A SAX”さんに掲載されていた”ZINNER HAND CRAFTED”のソプラノ・サックス用マウスピース。側面の刻印が目印です。

ググってもあまり情報が出てきませんが、もうなくなってしまったドイツのブランドで側面に”ZINNER HAND CRAFTED”と刻印されているのが特徴です。

 

<Selmer CigerCutter alto>Makar Kashitsyn

ロシアの若手サックス・プレイヤー。セルマーの、なんとシガー・カッターを愛用されています。

まだ「インライン」な造りのシガー・カッターはMark6なんかに比べかなり扱いにくいと思いますが、フラジオ域まで難なく使いこなされています。

オールド・スタイルからアグレッシブなプレイまで、シガー・カッターの温かい音をうまく使ってインパクトのあるプレイをされています。

 

<C,G,Conn 10M Tenor>Moon Hoochのお二人

型破りな奏法で2本のサックスと最小限のドラム・セットで”人力EDM(…の中でもダブ・ステップ〜トラップ寄り)”を聴かせる(魅せる)Moon Hooch(アメリカ)。

最近は同じスタイルでメジャーなLeoPとユニットを組んだりしています。

このフロント・マンのお二人はバリトン・サックスやバス・サックスも使い分けますが、テナー・サックスは2人ともどうやらコーンの10Mを愛用しているようです。

“Naked Lady”の彫刻が入っているものが有名な10M。(ちなみに”Naked Lady”のアルトは6M)

はっきりと公式サイトなどに記載されている訳ではありませんが、動画で確認する限り、特徴的なネックの支柱やベル部トーンホール、出音などから、ほぼ間違いないと思います。

1920年代くらいのヴィンテージ・サックス(オールド・アメリカン・サックス)は現代サックスに比べ管体が薄く、また各音のピッチ幅があるので

ノドやオーバートーンを使って面白い音が出しやすく、LeoPやMoon Hooch的な演奏にはとても向いています。

この方々もマウスピースはSYOSです。

 

<Amati “Super Classic”>Rafal Jedruch

この方はインスタで知りました。ポーランドのサックス・プレイヤーですが、

テナー・サックスではコードに対するいろいろなアプローチをゴリゴリのモダン・ジャズ的なサウンドでレクチャーされているようです。

アルトはテナーとうって変わって、フュージョンやR&B的なツヤのある演奏です。

なんと使用マウスピースはオットー・リンクのメタル「SuperToneMaster」の7番!(売りに出されていて、今では違うマウスピースを使われています)テナーでは大定番ですが、アルトでしかもフュージョン系のこんな音を出して使う方はほぼ見かけません!(マウスピースは他にもヴァンドレン・オプティマムやロートンなんかも動画で使用されています)

そしてアルト・サックスはなんと!「Amati」のかなり古いモデル”SuperClassic”です!

Amatiの旧いサックスは日本ではほぼ見かけないですね。
Amatiは旧チェコ発祥のサックスで、カイルベルトやコーラートと関係の深いブランドです。現在もサックスを作っていますが、(2019年11月に破産宣告)コーラートと同様の無骨なテーブル・キィでよくこんなモダンな演奏ができるな‥と感心してしまいます。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

最近はSNSの普及でロシア〜東欧方面にすごいサックス・プレーヤーを発見する機会が増えた気がします。

そして旧いサックスの良さは、なんといっても「ピッチの自由度」です。

現代サックスは初心者でも正確なピッチで演奏できるよう、1音1音のピッチに遊びがありませんが、昔のサックスはアンブッシュアやノドで音色・ピッチを変えやすいです。

サックスは「自分の声」です。流行りにとらわれずに、こういった素晴らしいサックス・プレイヤーの演奏も参考にして、新旧のサックスから自分のサックスを選んでみるのも楽しいですよ!

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