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中古サックスの魅力

ソプラノ・サックスの選び方

投稿日:2020年2月19日 更新日:

最近のソプラノ・サックスはどれも性能が良く使いやすくて問題ない?!

サックスの中でも「サックスらしくない」形状で、フルートのように幻想的で美しい音を出す事ができるソプラノ・サックス。

一風変わった外観で「あれ、サックス?」って感じで目立つし、アルトより小さくて持ち運びも便利。そんな訳でアルトやテナーも持ち替えでソプラノを使う方も多いですよね。

最近はだいぶリーズナブルな機種も増えてきましたが、実は自分の愛機を選ぶ時にはしっかりと選ぶ必要があります。

ソプラノサックスの選び方。その結論を先に言ってしまうと

ソプラノサックスは楽しみかたが大きく2つ。楽しみ方によって選ぶべきソプラノサックスが違う

ということになります。

ソプラノサックスは特に音色とピッチがちょっとしたアンブッシュアの変化で大きく変わってしまうサックスです。

ですから品質によって「良いソプラノ・サックス」と「良くないソプラノ・サックス」の差がはっきりと出ます。

現在では安くてちゃんと演奏できるソプラノ・サックスがいろんなメーカーから出ていますが、やはり人前でしっかりと聴かせる演奏をしようと思うと

『ある程度のクラスのソプラノ・サックスでないと厳しいな』と感じる場面が多いです。

「そんな事ないよ。最近のソプラノはどれも吹きやすくて音程も良いよ。」

という意見も多いと思います。私もその意見には賛成です。

…なんですが、例えば「ソロでしっかりとソプラノの音の綺麗さを聴かせたい!」という場合は、この「普段の吹きやすさ」だけではどうにもカバーできない部分が出てくるんです。

アルトサックスやテナーサックスではあまりこういった「ある音から突然、音程と操作性のレベルが変わってしまう」

という事は感じた事がありません。

ここまでの話をまとめると、以下のとおりです。

ソプラノ・サックスには2種類の楽しみ方がある。

たのしみ方のその①:ソプラノサックスの「手軽」で「かわいい音」をたのしむ。

極端に音程が悪かったり音がひっくり返ったりしなければ、操作性が良くてコントロールしやすい個体ならなんでもO.K。逆に安い価格帯のソプラノが狙い目。

たのしみ方その②:ソプラノサックスの「優雅」で「キレイ、洗練された音」を引き出してソロ演奏で聴かせる。

こちらが今回の記事のメイン・テーマです。アルトやテナーよりも「楽器そのものの品質・個性」が演奏に影響するのがソプラノ・サックスなのです。

※ここでは一個人の意見として書かせて頂きます。

安いソプラノ・サックスと高いソプラノ・サックスの違い

それでは、「安いサックス」「高いサックス」具体的にどこが一番差が出るか、というと、特に人前でのソロ演奏などで以下3点に大きな差が出ると感じています。

ソプラノサックスの”値段”に差が出るポイント

  1. 高音部の音質がやせているか・豊かか
  2. 音の出だし・立ち上がり
  3. 高音の音程

手軽に楽しむソプラノ・サックス〜安い価格帯でおすすめなソプラノ・サックス

↑アンティグアのソプラノサックス。操作性がヤマハ的で操作しやすく比較的音程も良いので、「楽しみかたその①」には最適なブランドです。

最近(2019年11月現在)では手ごろな価格のソプラノ・サックスがたくさん出ていますね。

こういったメーカーの中で私的にオススメなのは「アンティグア」と「シャトー」です。

特にアンティグアは低音が出しやすくて、高音域以外のピッチがとてもしっかりしてます。

あとは「マルカート (下倉楽器オリジナル)」もおすすめです。

普段の練習レベルでは全く問題なく使えますね。

ソロ演奏を考えると、やはりセルマー、ヤナギサワそしてヤマハのカスタムクラス

でも、上にあげた3点~つまり『ソロ演奏でしっかり歌う・聴かせる』を満たすソプラノという意味では今の所「セルマー」「ヤナギサワ」「ヤマハのカスタム・モデル」以外にはない、と個人的には感じています。(プロ・レベルのアンブッシュア技術を持っている方は例外です。)

なぜか…?簡単に言うと「ソプラノ・サックスはほぼどこかに音程・出音がすごく不安定な所がある」からです。

そして、この欠点をカバーする、もしくはこの欠点を味に変えてしまえる機種として考えた時、以下の機種に絞られると感じています。

新旧モデルの中で「音の豊かさ・柔らかさ」両方を持ったソプラノサックス

  • セルマー MARK6(ネック一体型)
  • ヤナギサワS-880/800「エリモナ」(ネック取り外し型)
  • ヤマハ YSS-62(ネック一体型)とYSS-875EX(ネック取り外し型)、YSS-82Z(ネック一体型)

 

↑セルマーの「Mark6」ソプラノサックス。ソプラノの音色としては未だに究極のモデルです。操作の難しさがネックです。

↑ヤマハの銘器「YSS-62」。音色の深さはMark6に譲りますが、抜群の操作性と音の深さを兼ね備えている、という点で希有な存在です。現行モデル「ヤマハ YSS-82Z」はこのYSS-62の造りを再現しています。

この中で個人的には「ヤマハYSS-62」がおすすめ!です。

ただしYSS-62には「前期・後期」があるので要注意です。

 

 

番外編:特定のジャンルに特化した演奏だけをたのしみたい時〜おすすめなメーカー

ジャズ・ファンクやR&B系に絞った演奏におすすめのソプラノサックス

  • カイルベルト
  • キャノンボール

 

↑キャノンボール のソプラノサックス。デザイン性と音個性を持った注目のブランドですが、ジャンルを選ぶかも。

要するに「クラシックでない音楽」しか演奏しないのであれば、「キャノンボール」「カイルベルト」も良いと思います。これら2つのブランドにもクラシック向けモデルはありますが、クラシック、吹奏楽のように「パート単位で1つの音を出す」という目的の場合はやはりセルマー、ヤマハ、ヤナギサワが良いです。

「キャノンボール」「カイルベルト」は「楽器自体が最初からクセ(個性)を持っている」ので、熟練レベルでない方が吹奏楽などで演奏すると音色が浮いてしまいます。

購入の際はあらかじめ試奏が必要です。

EDMやクラブ・ミュージックなどレコーディングやエフェクターで音を加工できる演奏

ダンス・ミュージックなどでサックスを演奏する場合は、サックス音をリアルタイムで加工できるのでとにかく「自分が操作しやすい」ソプラノ・サックスであれば

どんなメーカーのものでも大丈夫だと思います。

このジャンル特有の重要ポイントはとにかく「エフェクターの使い方」です。

エフェクターのかけ方でびっくりするほど音色の印象が変わります。

まずはどんなエフェクターをつかうか、どんなかけかたが自分にあっているか、をいろいろ試してみることをおすすめします。

エフェクターの入り口としておすすめなポイントのは以下の2点です。

  • 音楽ソフト(DTMソフト)の付属エフェクターをつかう
  • 「ボーカル用」マルチエフェクターをつかう

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