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中古サックスの魅力

C.G.Conn(コーン)ヴィンテージ・サックスの特徴

投稿日:2020年12月17日 更新日:

C.G.Connの特徴

アメリカン・オールド・サックスの代名詞的存在なのがこのC.G.Connです。
現代のサックスとテーブル・キィのポジションが違うので慣れが必要ですが、
以下のような他にない特徴を持っています。

  • 独特な太く、それでいてうるさくない音が最大の特徴です。
  • 現代のサックスに比べて管体が軽く、キィレイアウトも小ぶりです。
  • 現代サックスを使っていて「思うように指が動かない」「早いフレーズがうまくいかない」という悩みを持っている方は
    Connに乗り換えたことで指まわりの悩みが解決した、という声もけっこう聞きます。
  • テーブル・キィがオールド・サックス時代のレイアウトで慣れが必要

私がおすすめするコーン

私自身も、以前「コーン・ニューワンダー」を愛用していましたが、独特な音の太さとこの時代のサックスしかだせない「音の枯れ具合・渋さ」が最高でした。

現在、『サックス買取ラボふくおか』に在庫としてイチオシなのが「ニューワンダー」のゴールド・プレートです。

Connの注意点

現在もC.G.Conn名義でサックスが製造されていますが、オールド・サックスの頃のConnとは
造り、特徴とも全く違うので購入を検討されている方は注意してください。

Connの中でのおすすめは「ニュー・ワンダー/New Wonder」と「6M」です。
特に6Mは「VIIIスタンプ」という個体が今でも高い値段で取引されています。

また、この2機種で一番目立つポイント「マイクロ・チューニング・デバイス」は、実際にはほぼ使いません。デバイス部は固定して、普通のサックスと同じくマウスピースを抜き差ししてチューニングしましょう。

C.G.Connの見どころ

ではここで、Connがもっと好きになる、ネット上でのConn観察のポイントをいかにあげます。

  • Wonder、New wonderには「マイクロチューニング・デバイス」がついている
  • Virtuoso Deluxeは「サックス史上最高峰の彫刻」!
  • レアなサックス「Conn-O-Sax」は超レア個体!
  • 有名なアメリカン・サックスの創始者はみんなConn出身
  • 一番メジャーな「ネイキッド・レディ」
  • ロールド・トーンホールの元祖

 

C.G.Connの歴史

Connについてもっと興味を持っていただくために、コーンの歴史もざっと触れておきます。

コーン/Connは創業者チャールズ・コーンによって始められた金管・木管製造メーカーです。
最初は1874年に彼がコルネットの自作マウスピース(真鍮製)を作り、特許をとったことから始まりました。

インディアナ州のちいさなお店の一角でスタートし、
まもなく1876年にはデュポン社と提携しコルネット製造を開始し、1879年にはフランスやイギリスの職人を連れてくるほどの規模に成長します。

このConn創業以降、インディアナ州エルクハートは、アメリカの金管楽器・木管楽器製造の中心地になります。

1883年にConn工場は大きな火災に見舞われますが、エルクハート市がConn工場の復興に多額の融資を行います。(Conn/コーン社が雇用・収益面において市に貢献するほどの規模になっていた、ということです)

このタイミングでConnは金管・木管ラインとして「Wonder」シリーズを生み出します。

1870年後半にアメリカに初めて入ってきたサックスを、ConnはWonderシリーズの一環として製造開始します。

これがアメリカで最初のサックス製造になります。

それから約10年後の1898年に、後のBuescher社の創設者、ガス・ブッシャーがConnから独立して
「Buescher Instruments」社を創業します。

ちなみに、のちの「OLDS」という大手楽器メーカーの創始者となるフランク・エルズワース・オールズは、この1880年頃、高校を卒業してまもない年齢でC,G,Connで従業員として働いていました。

また、1907年には「Martin」創業者の3人の息子が社員として働いていたコーンを辞め、Martinに合流しました。

1915年に創業者チャールズ・コーンは、投資会社にConnを売却し、引退します。この時以降、Conn楽器には
「C.G.Conn.Ltd」という刻印が入るようになります。

1919年には、William Haynesの特許に基づいてサックスに「ロールド・トーンホール」製法を導入します。

C,G,Connの全モデル

  • Worcester(1888年頃〜)
  • Wonder Improved (1895年頃〜)
  • New Invention(1910年頃〜)
  • New Wonder Series I (1914年頃〜)
  • New Wonder Artist Special(1917年頃〜)
  • New Wonder Series II(1924年頃〜)
  • New Wonder Virtuoso Deluxe (1924年頃〜)
  • 22M & 24M(1928年頃〜)
  • New Wonder Transitional (1930年頃〜)
  • Artist (“Naked Lady”)(1935年頃〜)
  • Connqueror 26M & 30M(1935年頃〜)
  • Connstellation 28M(1948年頃〜)
  • Director 14M & 16M(1955年頃〜)
  • DJH Modified(1980年頃〜)

 

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