今回は中古サックスを選ぶときの注意点・初心者編です。
オークションでサックスを手に入れる際、注意すべきことは以下の3点です。
初心者がオークションでサックスを落札する場合の注意ポイント
- コレクターの方以外、演奏目的ならよほど詳しくない限り「間違いない」ブランドに絞る。具体的にはヤマハ・セルマー・ヤナギサワ
- 上記ブランドが、中古でも予算的にムリ、という場合は(予算的には20万〜30万くらいになります)‥
「もともと安いけど品質に定評があるブランド(以下で紹介)」に絞る。 - 有名ブランドのものでも「相場よりかなり安い」サックスは状態の詳細をよく見る(安い原因が”致命的”でないか)
では、順に説明していきます。
注意ポイント1.製造ブランドの違いを知っておく
安く売っているブランドの何がよくないのかと言うと
簡単に言って「造りの違い」です。
一般的に「新品当初から安いサックス」は以下のような欠点を持っています。
- 穴(トーンホール)の位置・仕上げがちゃんと設計されていない
- コストダウン重視で調整できる機構になっていない
- キィにガタが出やすい構造になっている(ネジを閉めても演奏しているとすぐ緩む・外れる)
こういったサックスは「買ってはいけないサックス」と言うことになります。
初心者の方には理解しにくい事実ですが「信頼できないメーカーのサックスは最初からちゃんとした音が出ない」場合もある、と言うことです。
こういったサックスを手にいれてしまうと、最悪 調整ができない場合もあります。
その点、この3ブランドなら大丈夫です。
注意ポイント2.「間違いない」ブランドに絞る。
オークションなどを見ると、たまに「よく知らないブランドだけど、見た目がかっこいい!」など所有欲をくすぐられるサックスに出会う事があると思います。
ですが、初心者の方はまず「間違いない」ブランドに絞った方がメリットが大きいです。
セルマー、ヤナギサワ 、ヤマハは「サックスの3大ブランド」として世界中で流通しています。
セルマー、ヤナギサワ 、ヤマハを推す理由は、以下の記事にまとめています。
注意ポイント3.予算的にムリ、という場合は「もともと安いけど品質に定評がある」ブランドに絞る。
初心者の方の中には「とりあえず始めてみて、向いていなかったらやめる、と言う感じだから安いサックスで良いんだよ」と言う方も結構いらっしゃるでしょう。
長く愛用する、上達しつつ良い音を体でおぼえられる、と言う観点で言うと
上記3大ブランドを強くお勧めしますが、
それでも予算重視の方のために「安くて」「良い」ブランドも紹介しておきます。
- アンティグア/Antigua
- シャトー/Chateau
この2ブランドは比較的、作りがしっかりしていて品質も均一なのでおおすすめです。
どちらも探せばざっくりですがアルトとテナーで中古10〜15万前後で手に入ると思います。
ただし、ネットオークションなどで手に入れたい場合は、以下の記事のような事に注意して探してください。
「キャノンボール」や「カイルベルト」はどうなの?
「キャノンボール/Cannonball」や「カイルベルト/Julius Keilwerth」のサックスももちろん素晴らしいサックスです。
特にビジュアルがかっこ良いので最初からこのどちらかを選ぼうとする方もいると思います。
どちらも、もともとセルマー並に高額なサックスなので品質も問題ないです。が、初心者の方はやはり「セルマー、ヤマハ、ヤナギサワ 」からスタートしてある程度吹けるようになってから手に入れた方が、キャノンボール もカイルベルトもより楽しめると思います。
キャノンボールもカイルベルトも出音が太く、操作性・息の抵抗感など総合的に「管体が大きく感じられる」造りになっています。
そういった意味で個性はかなりあって面白いのですが、サックスをある程度コントロールできないと吹くのが面白い、と言う感覚までいかないと思います。
まとめ
初心者の方は「なるべくお金をかけないでサックスを体験したい」という方が多いでしょう。
ですが、生楽器はどうしても「造りが響きを生み、その音を身体で聴く」ことに面白さがあります。
そいった意味で「ある程度本当の造りになっている楽器」を手にしないと、良さは分からずに終わります。
もし「曲だけ演奏できればいい」「楽譜の音だけ追っていければ良い」と言う感じであれば
割り切って電子サックスにしてしまうのも手です。その方がまだ良いお金の使い方だと思います。
それだけ「もとからとても安いサックス」を買うことはお金の無駄になってしまう場合がほとんど、と言うことです。
※ここで注意しておきたいのは「もともと安いサックスを買う事と、もともと20万くらいするサックスを中古で安く手に入れる、という事とは別」と言うことです。
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