サックスで吹く「コードトーン」
サックスでコードを吹く・練習する理由は以下の2つです。
- 理屈でなく、コード・ネームを見て音の雰囲気がわかるようになる
- 理論書で読むと難しくなる理屈が、実際にコードトーンを吹けるとなるほどね…となってくる
理論がわかっているとなんかカッコいい、ということではなくて
サックス吹きでも「基本的なコード」がどんな響きなのか、がわかっていると
難しそうな理論も意外と簡単に理解できたりするのでおすすめです。
サックスで吹く「コードトーン」の憶えかた
サックスは単音楽器なので、コードをピアノやギターのように「ポジションや視覚的なかたち」で憶えることができません。
そこで、コードトーンを「重ねて音をだす」のではなくて「バラして吹く」ことで響きをつかむ、というかたちになります。
はじめてコードトーンを吹いてみても「ド・ミ・ソ・シ…」とならぶだけで「これ意味あるの?」と感じるかたも多いと思います。
それでもだまされたと思って以下の5種類のコードトーンを楽譜など見ずに吹き分けられるようになってみてください。
理屈抜きに基本のコードトーンが吹き分けられると「そういうことか!」という感じになるとおもいます。
第一段階「基本の4和音」
それではまず、理屈抜きにおぼえる基本の「4和音コード」を2つ。
メジャー7th/メジャーセブンス
一番基本の4和音です。ド・ミ・ソ・シ。
7th/セブンス
メジャー7thの4和音のうち、シの音だけフラットさせます。
まずは、この「メジャー・セブンス」と「セブンス」を完全に指におぼえさせましょう。
この2つの和音(セブンス)をおぼえれば、これを基準に例えば、
「マイナー・セブンス」は「セブンス」の3つ目の音がフラットしただけ
のように、ただ丸暗記するより憶えやすくなります。
これを使って、以下のような練習もしてみてください。
第二段階「ダイアトニック・コード」を理解する
基本のコード「メジャー・セブンス」と「セブンス」を指におぼえさせたら、次はその他のいろいろなコードをおぼえます。
優先順位として「いちばん実用的なコード」をおぼえればさらにラクになるので、ここでは「ダイアトニック・コード」を憶えていきます。
ダイアトニック・コードとは、簡単に言えば
ドレミファソラシドだけを使った4和音の全パターンのこと
です。
ダイアトニック・コードに出てくるコードを並べてみると
- C△7(Cのメジャー・セブンス)
- Dm7(Dのマイナー・セブンス)
- G7(Gのセブンス)
- Bm7♭5(Bのマイナー・セブンス・フラット・ファイブ/またはハーフ・ディミニッシュ)
…のようにコードの名前を見るとかなりややこしそうで一瞬でイヤになるとおもいます。
ですが、これを実際に吹いてみると(または鍵盤で弾いてみると)
ダイアトニックコード=ドレミファソラシドの4こかたまり
例えば上記でいちばんややこしそうな「Bm7♭5」を見ましょう。
これを鍵盤の上でみると
「シ」から始まる1こ飛ばしの音を4つ、重ねているだけだとわかります。
要はドレミファソラシドの中に入っている全ての4和音を取り出しただけ
これを実際にサックスで吹けば、「なあんだ」となると思います。
そして、この「ドレミファソラシド」だけでできるコード=ダイアトニック・コードが
曲を構成する「土台になるコードたち」なのです。
第三段階ダイアトニック・コードを全種類
「ダイアトニック・コード」を憶えるのが、「コードってどれがどんな響きか」の近道です。
「ダイアトニック・コード」をサックスで練習する方法について詳しくはこちらの記事をどうぞ!
この「基本コードトーン」を12keyで練習する
…ここまでマスターしたら、今度はこれを他のキィで練習します。これに関してはまた次回の記事で解説します。
まとめ
サックスで曲を吹いたり、テキトーでもアドリブっぽいことができたりするようになると、徐々に「コード」に出会うようになります。
コードは、ご存知のように3つの音、4つの音を同時に鳴らすものなので、サックス初心者〜中級者くらいまでは「サックスに関係ないもの」と思ってしまいます。
ジャンルによって違いますが、特にアドリブをできるようになりたい方にとっては「コード」はなるべく早い段階に「基本の理解」くらいは身につけておいた方が練習の近道になる、というのが結論です。