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中古サックスの魅力

新次元のサックス彫刻を発見!~ハンガリー出身の彫金師 Robert Majzik氏 ~

投稿日:2020年2月29日 更新日:

【興味深いサックス彫刻を発見したので、彫ってもらう事にしました!】

突然ですが、ある日ネットでとってもカッコいい管楽器彫刻を発見しました!

Robert氏のサックス

サックスの彫刻といえばヤナギサワさんの特注彫刻や、最近ではキャノンボールのオーダー彫刻などが印象的ですね。

こういった彫刻も素晴らしいのですが、今回発見した彫刻は、彫り方のタッチ(?)が今までのサックス彫刻とはぜんぜん違います。

かなり新しく、ゴージャスな印象です。

「これってほんとに彫刻??ほんもののサックス??」

とても気になったので、実際にこの彫刻を施されている彫刻師さんにダメもとで連絡してみました。

すると、会ってお話できるとの事。さっそくお会いする事にしました!

 

【ハンガリー出身の彫金師 Robert Majzikさん】

なんとか日程を調整して、彫刻師さんに東京都内のカフェでお会いすることに。

ちょっとの電話とLINEのやりとりだけでかなり不安でしたが、待ち合わせ当日、時間通りに待ち合わせ場所に姿を現したRobert(ローベルト)さん。

とっても気さくでハンサムな方でした!

Robertさんはハンガリー出身。日本人の奥さんと2人のお子さんがいらっしゃるそうです。

ハンガリーで彫金を学ばれた「彫金(英語でEngravingといいます)」職人さんで、もともとはガラスの彫刻が本職だそう。

それで普通のサックス彫刻と違う雰囲気なんですね!

ガラス彫刻(彫金)の師匠の元で修行した後に、彫金の可能性を求めて日本へ。

日本でもガラス彫金の修行をしている中、勉強を兼ねて「東京ディズニー・ランド」のシンデレラ城にてガラス細工の仕事をしたことがきっかけで、現在の奥さんと知り合われたそうです。

特に奥さんとのラブラブ話になると話が止まらなくなる、そんなほっこりした姿がかなり印象的な方でした^^

彫金作品の写真をいくつか見せて頂きましたが、ガラスや管楽器だけでなく、木や銅板やプラスチックなどなど…

いろいろな素材に彫刻を施してあって驚きました。

もう1つ印象的だったのが、けっこう和風の図柄が多いこと。

図柄は「アール・デコ」や「ゴシック」などなど、洋柄でももちろん出来る(というかこちらが本職)そうですが、

もともと日本のデザインに興味があって日本にやってこられただけあって、和柄がとてもカッコ良いんです。

自分のサックスに彫刻を施し、ハンガリーにいる知り合いのプロ・サックス・プレイヤーにデモ演奏してもらったそうで、その演奏動画も見せてもらったんですが、「和」なサックス彫刻もさることながら

ハンガリーのサックス・プレイヤーが演奏する「フレーズ」や「間」が、あきらかに日本の尺八(しゃくはち)や笙(しょう)からインスピレーションを受けたもので、

その事が衝撃的でした。(笙は雅楽で使う楽器です。お正月なんかに神社で演奏される音楽を思い浮かべて頂けると分かりやすいと思います)

日本ではどうしてもアメリカの音楽を参考にしたりコピーしたりする事で終わってしまって、あまり「日本独自の音やフレーズ」に興味がいかないんですが

かえって外国の方のほうが日本音楽の良さを感じているのかも知れませんね。

ひととおりRobertさんのお話を伺った後、こんどはサックスを吹けるところに場所を移して実際に彫刻を施したサックスを触らせて頂く事にしました!

【実際に彫刻を見るとすごい!】

2人でサックスを持って上野公園に移動しました。

公園で実際にサックス・ケースを開けてみると…やっぱりすごい彫刻!

ネットで見た時にはあまりにも彫刻が立体的に見えて、「彫刻だけではなくいろいろ貼り付けているのかな?」と思ったのですが

ちゃんと彫刻だけで仕上げてあります。

セルマーやヤナギサワ、ヤマハなどの有名サックスでも、彫刻は線だけで成り立っていますが、Robertさんの彫刻は、面もいろいろな彫り方を施してあって、見る角度で表情が違う所がすごいです!!

【常識破りのサックス彫刻。気になる点も…】

ただ、気になる点もありました。それが「彫りの深さ」です。

普通のサックス彫刻に比べ、ちょっと彫りが深いです。Robertさんによると「演奏に問題はないよ」との事でした。

サックスの中には、管が比較的薄いモデルもあります。特にヤマハのサックスはセルマーなんかにくらべて管が薄い造りです。

この辺りは実際に彫刻を入れて、演奏してみないとなんとも言えません。

ただし、「サックス彫刻」としては最高にCOOLです!こんな特注彫刻だったら自分のサックスにも入れてもらいたい!と思いました。

なんか、日本人が忘れてしまった日本工芸の良さ…みたいなものも感じます。

「日本の彫金」で思い出しましたが、みなさんは『明治美術』ってご存知でしょうか?明治時代の彫金、陶芸、七宝(しっぽう)って、豪華絢爛で驚くほど緻密、繊細で世界的にもかなり評価されているんです。ある意味その辺りに通じるような「大胆さ」と「ゴージャスさ」を感じます。

 

<参考知識:明治時代の彫金・陶芸・七宝>
  • 【彫金】正阿弥 勝義(しょうあみ かつよし、天保3年3月28日(1832年4月28日) – 明治41年(1908年)12月19日 )生没情報など参照:wikipedia
  • 【七宝】濤川 惣助(なみかわ そうすけ、弘化4年(1847年) – 明治43年(1910年)2月9日)生没情報など参照:wikipedia
  • 【陶芸】宮川 香山(みやがわ こうざん、天保13年1月6日(1842年2月15日) – 大正5年(1916年)5月20日)生没情報など参照:wikipedia

…とにかく明治美術は大胆で圧倒的で、インパクトがすごいです!ですが、残念ながら明治美術の作品は大部分が海外に流出しているので、国内ではほとんど見ることができません。

【実際に検証してみます】

そんな美術的可能性を感じるRobertさんの彫刻、ぜひ試してみたい…でも音に支障がないか気になる…

残念ながらこの日見せてくださった彫刻サックスは、調整がされていなくて音の影響までは分かりませんでした。

…ということで、日を改めて実際にヤマハのアルト・サックスにこの彫刻を施してもらう事にしました!

自分のサックスを使って「彫刻前」と「彫刻後」のサックスの状態をしっかりと検証してみようと思います!

サックス彫刻による音への影響を検証する手順
  1. まず、彫刻をほどこしてもらう前にサックスに「完璧な調整」を行なう
  2. その上で、Robertさんに彫刻を依頼します。
  3. 彫刻後、演奏に支障はないか…ピッチや音の響きに支障がないか、動画に撮って検証してみます。

 

Robertさんの彫刻について、また報告記事を書く予定です!

 

お楽しみに♪

 

 

 

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