聴けばワクワクする2020年おすすめジャズ・サックス ・プレイヤー5人!
↑左からMelissa Aldana、Patrick Bartley、Alex Han、Hironori Ura、Soweto Kinch
今回は個人的に今、最も旬だと思うジャズサックス・プレイヤーを独断と偏見で紹介しますね。
新しいジャズサックス・プレイヤーはいないかな~とお探しの方、まだ知らないプレイヤーがいたら
要チェックです。
最旬のプレイヤーの特長は、『ハイ・テクニックは当たり前』な上で、さらに自分の世界観をアドリブの中で、
またはバンド・メンバーとの音のやりとりの中で構築できる点です。
世代が変わるにつれ、プロのジャズサックス・プレイヤーのテクニック・レベルがどんどん上がっていっている気がします。
一昔前では、ジャズサックス・プレイヤーのキャラクターは『個性をとるかテクニックをとるか』という感じで、今は亡きGRPレーベル所属の
ジャズ・ミュージシャンに代表されるような『テクニックを売りにする=個性がない』と良く言われたものですが、
そういったサックス界の常識は遠くかすんで消えてしまう位、最近はハイ・テクニックを当たり前の道具として、そしてさらに自分の世界を表現してみせるジャズサックス・プレイヤーが
出てきました。
そんな今アツいサックス・シーンを「露出度の高さ」でなく「演奏のスゴさ・ホンモノ度」基準で勝手に紹介したいと思います!
No.1 Alex Han
↑マーカス・ミラー・バンドでのAlexHanが聴けます。Funk,Jazzどちらのアプローチもカッコ良い!
マーカス・ミラーバンドのジャズサックス・プレイヤーとして世界的に注目度が高いアルト・サックス・プレイヤーです。
その引き出しの多さとケニー・ギャレット発展型的アプローチはまさに「サックス・モンスター」といった感じです。
音が若干綺麗すぎるのがたまにキズ?ですが(彼はヤマハのYAS-875EXを愛用しています。音色の優等生っぽさはそのせいかも…)
とにかくどんなジャンルにおいても抜群のリズム感とメイシオばりのファンク・フレーズを
モダン・ジャズ的アプローチに昇華して織り交ぜ、見事にアウトギリギリまで展開していき最後にはエモーショナルにまとめあげる…その技術力・想像力には驚くばかりです。
No.2 Melissa Aldana
↑Melissaのリーダー・バンド・ライブ。イントロの”1人インプロヴィゼーション”がカッコ良いです。
女性テナー・ジャズサックス・プレイヤーで日本ではあまりなじみがないかも知れませんが、海外ではかなり注目度が高い彼女。
「セロニアス・モンク・アワード」出身で、演奏の前に繰り広げられる1人アドリブが特長です。モダンなアプローチと温かく深く
優しい音色の組み合わせが素晴らしいです。
現在のスタイルが確立してからは滅多に見せませんが、実はブレッカー的なモダン・アプローチも得意とする懐の深さが今後楽しみなプレイヤーです。
No.3 Soweto Kinch
↑SOWETO KINCHのトリオ・ライブ。のっけから超個性的。オリジナリティに溢れていてワクワクします。
イギリスでは既に評価の高いジャズサックス・プレイヤーで、なんとラップもこなします。
最近はどちらかというとラップの割合が多く、個人的にはもっとサックスをメインにした方がカッコいいのに…
と思っています。
上記の2人と違って、どちらかというと理論に基づいたテクニックというより雰囲気重視のアドリブですが、オーネット・コールマンやエリック・ドルフィーの
匂いを感じさせる音色とオリジナリティあふれるフレーズは一聴の価値あり、です。
同じような系統にあるロバート・グラスパーやカマシ・ワーシントンに飽きた方にはぜひおすすめです。
No.4 Patrick Bartley
↑Patrick率いる「J-MUSIC Ensemble」のライブ。曲は日本のアニメ”カウボーイ・ビバップ”のオープニング・テーマ!
アメリカで着々と知名度を上げてきているジャズ・サックス・プレイヤーですが、大のJ-POP〜アニメソング、ゲーム音楽の大ファン、という異色の(というかある意味現代を象徴している)存在です。
YOUTUBEで観たことがある方も多いと思いますが、「J-MUSIC Ensemble/Jミュージック・アンサンブル」というユニットでゲーム「ストリート・ファイター」や宇多田ヒカル、Perfume(!)の曲をカバーしていますね。
もちろんそれだけではなくて、ウィントンマルサリスとの共演、グラミー賞ノミネートなど純粋に新世代ジャズサックス・プレイヤーとしての腕はお墨付き。
↑Patrickはキャノンボールばりの太くアグレッシヴなアドリブが特徴。
聴き慣れたJPOPの中でどんなアグレッシブなアドリブを聞かせてくれるのか…が聞きどころです。
No.5 浦ヒロノリ/Hironori Ura
↑URAさん福岡でのライブ。アドリブの自在さと音のおおらかさが日本人離れしてます。
最後は日本国内のプレイヤーです!現在は国内の活動をメインにされていますが
個人的に、世界の最前線プレイヤー達とインプロビゼイション(アドリブ)でタメ張れると感じる
今最もアツい日本人ジャズサックス・プレイヤーです。
この方もバークレー音大出身者です。(スゴいプレイヤーはバークレー出身の方多いですね)そして、上記2人(Alex han とMelissa Aldana)とはなんと、同期だそうです!
国内のジャズ事情として、どうしても普段はスタンダード・ジャズを演奏される機会が多いようですが
オリジナル・チューンをプレイする時にはまさに「世界最前線のジャズサックス・プレイヤー」の真価が発揮されます!
つい最近(2019年9月現在)ファースト・アルバムを発売されたばかり、との事で
まさにこれからの活躍が期待できるジャズサックス・プレイヤーです。
世界に出て行ってしまう前に、国内で観れる今のうちに生で見ておくことをおすすめします。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ジャズ、ファンクそしてジャンルを越えた要素を自在に使いこなすジャズサックス・プレイヤーがどんどん出てきているジャズ・サックス界。
ステレオタイプなジャズサックス・プレイに飽きた方はぜひ、ここにあげたプレイヤーを入り口に、その周辺のプレイヤーもいろいろ(今回取り上げきれなかった面白いプレイヤーはまだまだたくさんいます)掘り下げてみてください!