セルマー サックスの特徴
サックスの王道。現代のサックスは世界中のサックスがビンテージ ・セルマーを基に開発をスタートしているので
サックスの音色、形状の基準になっているメーカー。これはセルマーのバランスド・アクション(1936年頃〜1947年頃)というモデルによって、現代サックスのキィシステム・キィアクションが確立したことにあります。(Dolnet/ドルネイやCouesnon/ケノンなど独自の路線で進化したサックスもあります。)
ジュビリー以前は「吹きこなすのに時間がかかるが、独特なセルマー・サウンド=深い音を育てることができる」というのが最大の特徴でした。
ですがジュビリーモデル(2010年)以降は「ヤマハの操作性・吹きやすさ+音の艶」という感じにセルマー・サックスの特徴が変化してきています。
セルマー・サックスのメリット
- そもそもヤマハ、ヤナギサワ 含め世界中のほぼ全てのサックス・メーカーがセルマーの「マーク6」モデルのコピーから開発が始まっています。
- やはり「サックスの奥深さ」はこのメーカーに集約されていると言う感じ。
- 音の芯、音質は唯一無二。それ単体で吹いていると気にならないヤマハやヤナギサワでも
セルマー、特にビンテージ・セルマーと並べて吹き比べると音の存在感が別格。 - ダークな音色と操作性の両立、と言う点ではセルマーが一番。
セルマーに関しては2010年の大幅なマイナーチェンジ(ジュビリー)の前後で無視できないほど各モデルの趣向が変わりました。ですので、「ジュビリー前」と「ジュビリー」それぞれの特性も知っておく必要があります。
ジュビリー前モデル(90年代〜2010年)
ジュビリー前モデル(現行初期セルマー)のメリット
- 選べるモデルはシリーズ2,シリーズ3,リファレンスの3種類。(中古のみ)
- そして「彫刻なしのシリーズ2廉価モデル」としてヴァルール(日本のみ・中古のみ)
- ジュビリー前までのセルマーは、新品時の息の抵抗感はやや強め。吹き込めば吹き込むほど吹きやすく
音の深みも増す、と言う愉しみがある。
次はジュビリー・モデルです。ジュビリーとはセルマーの2010年以降の各現行モデル(シリーズ2,シリーズ3,リファレンス)のことです。
ジュビリー・モデル(2010年以降)
ジュビリーモデル(現行セルマー)のメリット
- 選べるモデルはシリーズ2,シリーズ3,リファレンスの3種類。(※ソプラノとバリトンにはまだリファレンスは存在しません。)そして廉価モデルとしてセレス・アクソス(アルトのみ)
- ジュビリー・モデル以降のセルマーはヤマハの良さとセルマーの良さを掛け合わせたような特徴。
- 新品時から演奏しやすく、腹式呼吸がしっかりと確立していない状態でもある程度艶のある良い音が出てピッチも比較的しっかりしている
- 吹き込んだ息のスピードを増幅してくれるような管体、ネックの作り。
- 特にジュビリー・モデルの「serie3」のフラジオ音域のピッチはどのメーカーのサックスよりも安定している。
それでは次にセルマーのデメリットを見てみましょう。大まかには価格帯の問題です。
セルマー・サックスのデメリット
- ジュビリー以降はかなり高価。コスパ面と音を育てる楽しさからジュビリー前(中古のみ)がおすすめ。
- 個性がある=ヤマハ、ヤナギサワ に比べ品質にややバラつきあり。(ジュビリー前、ジュビリー共通)
- ジュビリー以降はジュビリー前と音の傾向がかなり違う。ジュビリー前とジュビリー以降の出音を確認する必要がある。(個体探しがわかりにくい)
- けっこうしっかり練習・吹き込みをしないと本当の良さを引き出せない。(ジュビリー前、ジュビリー共通)
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