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中古サックスの魅力

中古サックスを選ぶときの注意点〜オークション編〜

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中古サックスを選ぶときの注意点②〜オークション編〜


今回は、中古サックスを販売している立場から

「ネット(特にネット・オークション)で中古サックスを購入する場合の注意点」

をまとめてみたいと思います。

中古サックスを購入する際の注意点

  • 凹み、調整、修理の有無は明記されているか(状態の確認)
  • 「音出し確認済み」には大きな落とし穴がある
  • 修理・調整はどの程度されているか(突っ込んだ修理か・間に合わせの修理か)
  • 自分で試奏チェックする場合(操作性と基本調整の両方から)

それでは順に解説します。

 

凹み、調整、修理の有無は明記されているか

これは当然ですが、「修理をしてある」「修理されていない」がはっきりと書かれていないものや画像に写っていない箇所の状態の説明書きがないものは手を出さない方が良いです。

こういった商品は、出品者がサックスにまったく関心がない・もしくは詳しくない場合がほとんどで、「本人は悪気なく不具合を隠した状態になってしまっている」というケースです。

 

「音出し確認済み」には大きな落とし穴がある

ここが今回、最大のポイントです。

結論から言うと、出品者・出品店の

「音出し確認済み」と言うのは「演奏確認済み」とは意味が違う場合が多い

ということです。

どういうことでしょうか。ややこしいですね。

これを説明する前に、「値段重視で他は気にしないで落札する」場合からご説明します。

 

見た目が綺麗でも音が出ない、と言うのは中古の管楽器では普通に存在します。

ただし、管楽器はたいていの場合、技術と経験値の高い職人さんにお願いすれば演奏できる状態に復活することができます。

つまり、「自分で修理に出すことを想定するなら、大抵のサックスは何も考えずに手に入れてもなんとかなる」ということになります。

…ただし実際に経験してみると分かりますが、

腕の良いリペア職人さんを探してきて、適正価格でおさえるべき箇所を修理・調整して「ほんとうにストレスなく演奏に専念できる状態」にするのには意外に大変で

「安く済ませるために安く落札した」結果、結局よけいにコストがかかってしまった、ということになります。

 

そんな手間を省くために「”演奏に専念できる良いサックス”」を見つけるのが一番です。

そんなサックスを落札したい場合は

「音出し確認済み」と書かれたサックスでも、もう少し突っ込んだ点をチェックする必要があります。

出音の確認は単音でなく演奏で

話を戻しますが、オークションに出品されているサックスで「音出し確認済み」と書いてある場合も実は大きな落とし穴があるので要注意です。

単音では問題なく出るが、フレーズを吹くと音がひっくり返る、かすれる
というパターンも良くあります。

別に出品者がだまそうとしている、という意味ではなくて
サックスを吹ける出品者でもこのあたりのことはあまり重視していないことがほとんどなのです。

また、こういった症状を「前の持ち主のクセがついている」という表現をする方もいますが、要は「微細な息漏れ箇所がある」ということなのです。これは

よほど経験豊富な職人さんでないと気づかない・気づかないから調整できない…といったケースも「けっこう」あります。

また、素人さんが我流でタンポ修理・調整をしている場合もかなりあって、こういう方はたいてい「サックスの息もれ修理なんか誰でもできる!音が出るようになればそれで完了(つまり演奏時の表現力のことなど意識していない)」と考えています。

 

中古楽器やさんでも楽器の買取から出品作業まではけっこうな作業工程があるので、どうしても
単音でドレミファを確認したら「ハイ、OK。確認済み」としてしまいがちです。

 

さらに初級レベルの出品者・店舗担当者だと上記のような「単音で音が出ても演奏になると使い物にならない」という事実を知らない・吹いてもわからない出品者もけっこういます。

…ということで

  • 試奏・音出しを動画で確認
  • 動画がなくても、「単音伸ばしの場合」と「演奏時したとき」に分けて出音の様子を明記されているか確認

は必ずチェックしましょう。

そういった記述・動画がないサックスは、「修理・調整前提」で予算を組みましょう。

 

自分で試奏チェックする

コロナのご時世、なかなか実際に試奏することは難しいですが、やはり実際に吹けば分かることはたくさんあります。その際、特におすすめしたいのは「標準マウスピースで演奏してみる」ということです。

標準マウスピースで試奏してみた方が良い。

いわゆる「標準マウスピース」を使って吹いた方が息漏れが見つけやすいです。

いつもメタル・マウスピースやパワーのあるマウスピースを愛用していたとしても、

息もれチェックの時は

      • セルマーのS80、S90、開きC〜C☆
      • ヤナギサワやヤマハの標準付属マウスピース

などで吹いてみることをおすすめします。

パワーのあるマウスピースで吹くと大抵の場合、隙間・タンポの劣化・タンポの隙間に関係なく音は出ます。

意外に落とし穴なのが、初級者よりも「中級レベルの方でパワー系マウスピースを愛用されている場合」です。

こういう方の全員とは言いませんが、先ほどあげた理由で「サックスに多少の息漏れがあっても吹き切れてしまう」ということがあり、

サックスの微妙なレスポンスの悪さに気づかないまま購入・使ってしまう、ということがあります。

こういう場合、(普段使っているサックスでも)ご自分では微妙なストレスに気付いていなくて、きちんと調整されたサックスを渡されると今まで吹けなかったフレーズが吹けたりして、

そのとき初めて「あれ?なんで?」と気づく‥というケースもけっこうあります。

こういったことからも

試奏は一度標準マウスピースで試奏してみることをおすすめします。

 

中古サックスを選ぶポイント・お店の担当にピンポイントで質問


一番良いのは、出品者に直接、質問することです。
質問する点を具体的に挙げてみます。

これは、実際に私がサックスの査定をしている中で感じる

『中古サックスのあるあるな劣化ポイント』

ですので、ぜひ参考にしてください。

 

  • 最低音(一番下の”シ”と”シ♭”)は問題なく出るか
  • 真ん中のソ#(左手の小指でおさえる音)はくっついてないか
  • 「単音でのばし」だけでなく実際に演奏した時、消える音やひっくり返ってしまう音はなかったか(オクターブ上の”レ”や”ミ”が特にこの症状が多い)

質問する際は、以上の点を必ず質問してはっきりさせておくと、

「落札して思っていたのと違う」ということが断然少なくなります。

ですが、これももちろん、そのお店のサックス担当者がそのサックスをしっかりと把握していないと、あいまいな回答しか得られませんが…

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

中古サックスを検討する際に、特に忘れてはいけないのは

出品者が「このサックスが次の持ち主のところへもらわれてもちゃんと活躍できるだろうか」ということを考えている方だろうか‥。

という点を見極めることです。

オークションなどでサックスを検討される場合は、ぜひこういった点を注意してみてください。

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